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神経科学:ショウジョウバエでは異なった活動度依存性経路がCO2への誘引と忌避に関与する
Nature 564, 7736 doi: 10.1038/s41586-018-0732-8
二酸化炭素(CO2)はさまざまな有機的過程で産生され、昆虫にとって、血液宿主や花、共同巣、果実、あるいは山火事を探索するのに都合の良い揮発性の手掛かりとなる。キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)は、発酵の際にCO2とエタノールを産生する酵母を餌としているが、研究室内での実験では、歩行中のハエはCO2を避けることが示されている。今回我々は、ショウジョウバエは飛行中でも歩行中でもCO2に誘引されるが、それは採餌に関して活動的な状態にあるときに限られることを明らかにし、この矛盾を解決した。低活動度レベルにおけるショウジョウバエのCO2の忌避は、CO2を探す寄生生物を避けるための、あるいは自然界に実際に存在する高濃度CO2条件において呼吸性アシドーシスで死ぬことを避けるための適応なのかもしれない。CO2とは対照的に、ハエはどのような行動状態にあるときもエタノールには誘引され、近くのエタノール探索にはCO2に比べて2倍の時間を費やす。このような行動の違いは、エタノールは酵母の発酵に固有のシグネチャーであるのに対し、CO2は多くの自然過程で生じるという事実を反映している。我々はさらに遺伝的ツールを用い、CO2への誘引には、進化的によく保存されたイオンチャネル型補助受容体IR25aが必要であり、CO2の忌避に必要な受容体はこの誘引には関わらないことを明らかにした。この研究は、ショウジョウバエにおいて状態に依存した意思決定とにおい物質に依存した意思決定を司る神経回路の解明に向けた、今後の研究の基盤となるだろう。

