Letter

植物科学:POLAR誘導性のシグナル伝達複合体の集合と局在が非対称細胞分裂を駆動する

Nature 563, 7732 doi: 10.1038/s41586-018-0714-x

気孔の細胞系譜は非対称細胞分裂(ACD)の典型例であり、植物の生存に必須である。シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)では、グリコーゲンシンターゼキナーゼ3(GSK3)/SHAGGY様キナーゼのBIN2(BRASSINOSTEROID INSENSITIVE 2)は、MAPK(mitogen-activated protein kinase)シグナル伝達モジュールと、その下流の標的である転写因子SPCH(SPEECHLESS)の両方をリン酸化し、気孔系譜の同一細胞でそれぞれACDを促進・抑制する。しかし、これらの相互に排他的な活性のバランスを取る機構については不明である。今回我々は、植物特異的なタンパク質POLARが、気孔系譜におけるGSK3様キナーゼのサブセットに対する足場として働き、これらのキナーゼを細胞質ゾルにとどめ、次いでACDの前に、それらをBASL(BREAKING OF ASYMMETRY IN THE STOMATAL LINEAGE)と共に細胞内で一過的に極性化させることを明らかにする。その結果、MAPKシグナル伝達は減弱し、SPCHは核内でACDを駆動できるようになる。さらに、POLARの代謝回転は、GSK3が介在した特定の残基のリン酸化を必要とする。我々の研究は、足場タンパク質のPOLARがGSK3の基質特異性を保証している機構を明らかにするとともに、植物におけるGSK3の調節を理解する上でのパラダイムとして役立つ可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度