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気候科学:20世紀における海水準上昇に対する、インベントリーに含まれていない氷河の寄与

Nature 563, 7732 doi: 10.1038/s41586-018-0687-9

20世紀における全球平均海水準上昇(GMSLR)は、主に、氷河と氷床の質量損失、海水の熱膨張、陸域貯水量の変化に起因していた。しかし、観測結果に基づくものでも、気候モデルの結果でも、こうしたそれぞれの寄与の見積もりの合計は、観測されるGMSLRに達しないことが多い。GMSLRに対する氷河の寄与の現在の見積もりは氷河のインベントリーデータに依存しており、このデータは大きさが最小の部類の氷河を十分にサンプリングしていないことが知られている。本論文では、1901〜2015年に、見落とされている氷河(missing glaciers)と消失した氷河(disappeared glaciers)によって、約16.7〜48.0 mmの海水準換算量(SLE)が生じたことを示す。見落とされている氷河は、地域分析や理論的なスケーリング関係から、現在も存在すると予想されるが、インベントリーには示されていない小さな氷河である。こうした氷河は過去のSLEに対して、約12.3〜42.7 mm寄与していた。さらに、消失した氷河(1901年には存在したが、2015年までに融解し尽くして、現在の氷河インベントリーには含まれていない氷河)の寄与は、4.4〜5.3 mmと見積もられる。このようなインベントリーに含まれていない氷河を考慮しなかったことが、20世紀のGMSLRの収支を閉じるのが難しい重要な原因である可能性がある。つまり、1901〜1990年におけるGMSLRの収支の差違が年間約0.5 mmであるのに対し、こうした氷河の寄与は平均して、SLEで年間0.17〜0.53 mmである。将来の海水準上昇におけるインベントリーに含まれていない氷河の役割は最小限であり、1990年以降重要性が低くなっているが、今回の知見は、過去の海水準の収支を閉じるのに、未知の物理的過程を必要としないことを示唆している。

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