量子物理学:混合種捕獲イオンレジスターによる複数キュービットの反復読み出しとフィードバック
Nature 563, 7732 doi: 10.1038/s41586-018-0668-z
量子誤り訂正は、大規模量子情報処理デバイスの可能性を最大限実現するのに不可欠である。これを実験的に実現する際の基本となるのは、量子ビット(キュービット)間の量子相関に対する射影測定による誤りの繰り返し検出と、条件付きフィードバックによる誤りの訂正である。そうしたタスクを反復的に適用するには、タスクから好ましくないクロストークが誘起されず、制御操作も妨げられないことが要求される。これは、状態検出や再初期化のためにキュービットを古典的世界と散逸的に結合させる必要性から難しい。捕獲イオンでは、状態の読み出しに多数の共鳴光子の散乱が関与するため、隣接するキュービットにエラーを生じさせる迷光の確率が高まるとともに、イオン運動について望ましくない反跳加熱が生じる。今回我々は、カルシウムイオンの補助の光学キュービットを用いて、2個のベリリウムイオンのマイクロ波キュービットの相関について最高50回までの反復測定を実証し、2キュービットの部分空間とベル状態(最大エンタングル状態の一種)を安定化できるフィードバックを実行したことを報告する。複数キュービット混合種ゲートを使ってレジスター内でキュービットから補助系へ情報を伝送することで、データキュービットへのクロストークが無視できる読み出しが可能になった。カルシウムイオンのみと相互作用する光で3個全てのイオンを再冷却する(共同冷却と呼ばれる)手法によって、検出中のイオン運動の加熱が軽減された。我々の実験装置の重要な要素は、フィードバック制御のフレキシブルなシーケンス内処理を特徴とする強力な古典制御システムである。今回用いた方法の数々からは、捕獲イオン量子計算、量子状態制御、エンタングルメント増強された量子計測をスケールアップするための重要なツールが得られる。

