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幹細胞:顎の再生では機械刺激応答性の幹細胞が神経堤運命を獲得する
Nature 563, 7732 doi: 10.1038/s41586-018-0650-9
胚発生過程でも、成体の組織再生過程でも、マスター転写因子が引き起こすクロマチン構造の変化は、刺激応答性転写プログラムの開始につながる。骨格に含まれる幹細胞が機械刺激を読み取って、再生を成立させる仕組みを徹底的に理解することは、再生過程において力がどのように変換され核に伝わるかについて光を当てると考えられる。今回我々は、下顎骨延長術の遺伝学的に精査可能なマウスモデルを開発した。下顎骨延長術は、ヒトにおいて低形成の下顎を修正するために用いられる処置で、下顎骨を外科的に分割して、その間隙に新しい骨の成長を引き起こす。我々はこのモデルを用い、新たに形成された骨領域が、骨格に存在する幹細胞由来のクローンであることを示す。クロマチンと転写のプロファイリングにより、これらの幹細胞集団がFAK(focal adhesion kinase)シグナル伝達経路内の活性を獲得すること、また、FAKの阻害によって新しい骨の形成が消失することが分かった。骨が分割されている間の骨格幹細胞でのFAKを介したメカノトランスダクションは、通常は未分化な神経堤細胞で活性が見られる遺伝子調節プログラムやレトロトランスポゾンを活性化した。発生の際、神経堤細胞からは骨格幹細胞が生じる。このような発生段階の状態への逆戻りが、成体の骨格組織の幹細胞を基盤とする再生を促進するロバストな組織増殖の根底にある。

