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ナノスケールデバイス:黒体限界を超えて遠距離場放射熱伝達を100倍増強する

Nature 561, 7722 doi: 10.1038/s41586-018-0480-9

放射熱伝達(RHT)は、ナノメートルから光年に及ぶ長さスケールでのエントロピー生成とエネルギー移動において中心的役割を果たしている。マックス・プランクのRHT理論で確立された黒体限界は、遠距離場(すなわちウィーンの波長より長い距離)において巨視的物体間でとり得る最大RHT率を表しているので、RHT率を定量化する便利な基準となる。最近の実験では、近接場において黒体限界を克服できる可能性が示されているが、遠距離場では、黒体限界を超える熱伝達率はこれまで実証されていない。今回我々は、温度計を組み込んだカスタムメイドの熱量測定ナノ構造体を用いて、サブ波長寸法の平面膜間のRHTが、遠距離場において黒体限界を2桁以上、上回り得ることを示す。我々が観測した熱伝達率は、揺動的電磁力学(fluctuational electrodynamics)に基づく計算結果とよく一致した。今回の知見は、エネルギー変換、大気科学、天体物理学など、RHTが重要となるさまざまな分野と直接関係してくる可能性がある。

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