免疫学:parkinとPINK1はSTING誘導性の炎症を軽減する
Nature 561, 7722 doi: 10.1038/s41586-018-0448-9
パーキンソン病患者の血清では、IL-6、TNF、IL-1β、IFNγなどの多数の炎症性サイトカインのレベルが上昇しているが、炎症がニューロン喪失の一因であるのか、それとも結果であるのかについては、まだ分かっていない。E3ユビキチンリガーゼであるparkinやユビキチンキナーゼであるPINK1の変異は、若年性パーキンソン病を引き起こす。PINK1とparkinは共に同じ生化学的経路で機能し、損傷を受けたミトコンドリアをマイトファジー(選択的なオートファジーの1つ)を介して培養細胞や動物モデルの細胞から除去する。しかし、マイトファジーのin vivoでの役割ははっきりしておらず、その理由の一部は、PINK1もしくはparkinを欠失したマウスがパーキンソン病と関連のある重要な表現型を示さないことである。ミトコンドリアストレスは、自然免疫を活性化できる損傷関連分子パターン(DAMP)の放出を引き起こすことがあるため、マイトファジーは炎症を軽減する可能性が考えられる。本研究では、消耗運動後のPrkn−/−マウスとPink1−/−マウスの両方、またPrkn−/−;mutatorマウス[ミトコンドリアDNA(mtDNA)に変異が蓄積する]では、強い炎症性表現型が見られることを報告する。消耗運動もしくはmtDNA変異に由来する炎症は、細胞質DNAに対するI型インターフェロン応答の中心的調節因子であるSTINGを同時に欠失させることで、完全に救済される。老化したPrkn−/−;mutatorマウスで見られる黒質緻密部でのドーパミン作動性ニューロンの喪失や運動障害も、STINGの欠失により救済されることから、炎症はこの表現型を促進していると考えられる。PRKN変異の対立遺伝子を1つあるいは2つ持つヒトでも、サイトカインの上昇が観察される。これらの結果は、PINK1やparkinを介したマイトファジーが自然免疫の抑制に役割を担うことを裏付けている。

