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構造生物学:マラリア原虫トランスロコンの構造とエフェクター搬出機構

Nature 561, 7721 doi: 10.1038/s41586-018-0469-4

マラリア原虫のタンパク質搬出用トランスロコンと推定されているPTEX(Plasmodium translocon of exported proteins)は、マラリア原虫を包み込む液胞膜を越えてマラリアエフェクタータンパク質を宿主赤血球内に輸送するのに不可欠だが、この過程がどのような機構で起こるのかはまだ分かっていない。今回我々は、PTEXコア複合体の構造をクライオ(極低温)電子顕微鏡法を用いてニア原子分解能で決定し、PTEXが真のトランスロコンであることを明らかにした。CRISPR–Cas9系によって挿入されたエピトープ標識を使って、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)からEXP2とPTEX150、HSP101を含む内在性PTEXコア複合体を単離し、内在性の積み荷を輸送している「作業中」と次の輸送サイクルに備える「リセット中」という2つの状態にある複合体の構造を得た。これらの構造中で、EXP2とPTEX150は相互に組み合わさって漏斗形で疑似7回対称構造の動きの少ないタンパク質通過チャネルを形成し、これが液胞膜を貫通している。AAA+スーパーファミリーに属するらせん形のSP101六量体はこの漏斗の上に係留されている。六量体が著しく圧縮されると、HSP101が作るチャネルの内部を覆っている6つの小孔ループ(チロシンを含む)のうちの3つが積荷から解離できるようになり、膜を通過する次の輸送サイクルのためにトランスロコンがリセットされる。今回の研究は、熱帯熱マラリア原虫のエフェクタータンパク質搬出機構を明らかにしており、この独特なトランスロコンを標的とする薬剤を構造を基盤として設計するための情報が得られるだろう。

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