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心血管生物学:グルタミンシンテターゼの血管新生におけるグルタミン合成以外の役割
Nature 561, 7721 doi: 10.1038/s41586-018-0466-7
グルタミンシンテターゼは、GLUL遺伝子によりコードされる、グルタミン酸とアンモニアからグルタミンを合成する酵素である。グルタミンシンテターゼは、内皮細胞で発現しているが、意外にもこうした細胞のグルタミン合成活性は、生理的なグルタミンレベルではごくわずかである。今回我々は、マウスで、内皮細胞のGlulを遺伝的に欠失させた場合には、血管発生の際の血管の発芽が障害されるのに対し、グルタミンシンテターゼを薬理学的に遮断した場合には、健康な成体の静止状態の内皮細胞にはほとんど影響がないにもかかわらず、眼疾患や炎症性皮膚疾患の血管新生が抑制されることを示す。これは内皮細胞の増殖ではなく、移動の阻害に依存していた。ヒト臍帯静脈内皮細胞でGLULをノックダウンしたところ、GTPアーゼであるRHOJの膜局在化や活性化は低下するが、他のRho GTPアーゼやRhoキナーゼが活性化することで、アクチンストレスファイバーが誘導され、内皮細胞の運動が妨げられるという機構が明らかになった。Rhoキナーゼを阻害すると、GLULノックダウンによって引き起こされる内皮細胞移動の異常が救済された。グルタミンシンテターゼは、自己をパルミトイル化することで、RHOJと相互作用して、RHOJのパルミトイル化、膜局在化、活性化を維持する。これらの知見から、この酵素グルタミンシンテターゼは、知られているグルタミン生成に加えて、病的な血管新生の際には、内皮細胞移動においてRHOJのパルミトイル化を介した、これまで知られていなかった活性を示すことが明らかになった。

