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ナノスケール材料:全無機ペロブスカイトナノ結晶シンチレーター

Nature 561, 7721 doi: 10.1038/s41586-018-0451-1

多くの応用分野で放射線検出材料の需要が高まっていることから、シンチレーターが広く研究されている。高エネルギー(キロ電子ボルトスケール)のX線光子を吸収して、そのエネルギーを低エネルギーの可視光子に変換するシンチレーターの機能は、放射線被曝モニタリング、保安検査、X線天文学、医療用X線撮影への応用に不可欠である。しかし、従来のシンチレーターは、一般的に高温での結晶化によって作製されており、可視スペクトル域にわたる放射線ルミネッセンスの調整は困難である。今回我々は、セシウム原子と鉛原子を含む一連の全無機ペロブスカイトナノ結晶と、X線照射に対するそれらの応答を実験的に調べた結果を報告する。こうしたナノ結晶シンチレーターは、強いX線吸収と可視光波長の高強度放射線ルミネッセンスを示す。バルクの無機シンチレーターとは異なり、今回のペロブスカイトナノ材料は、比較的低い温度で溶液処理できるとともに、合成時にコロイド前駆体のアニオン成分を調節することによって、可視スペクトル域にわたって容易に調整可能なX線誘起発光を生成できる。これらの特徴によって、検出限界13 nGy s−1のフレキシブル高感度X線検出器の作製が可能になる。この検出限界は、一般的な医療用撮像線量の約400分の1である。我々は、今回の色調整可能なペロブスカイトナノ結晶シンチレーターが、X線照射に伴う画像を標準的なデジタルカメラに直接記録できるため、X線撮影に好都合な可視化手段をもたらす可能性があることを示す。さらに、このシンチレーターを市販のフラットパネルイメージャーと直接一体化させ、低線量X線照射下で電子回路基板を調べてその実用性を証明した。

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