Letter

量子物理学:原子を1個ずつ集合させた合成三次元原子構造

Nature 561, 7721 doi: 10.1038/s41586-018-0450-2

現在の量子科学技術研究の大きな課題の1つは、量子コンピューティングや量子シミュレーションに応用するために個別に制御される多数の量子ビット(キュービット)でできた人工系を実現することである。超伝導回路や量子ドットなどの固体系や、光子、捕捉イオン、中性原子などの原子・分子・光学系を含む多数の実験プラットフォームが研究されている。後者では、環境から十分に切り離された本質的に同一のキュービットが得られるとともに、数百個以上のキュービットに拡張できる合成構造体が得られる可能性がある。量子気体顕微鏡は、数百個の原子からなる二次元規則格子を実現でき、個別に制御される約50個のマイクロトラップ(つまり「光ピンセット」)でできた完全に充填された大きなアレイが、すでに一次元と二次元で得られている。しかし最終的には、量子シミュレーションに適すようにキュービットの数を増やすにもモデルの範囲を拡張するにも、単一原子の制御を保ちながら第三の次元を利用する必要がある。本論文では、最大で72個の単一原子を含む、欠陥のない任意形状の三次元アレイを作製したことを報告する。我々は、ホログラフィック法と高速で動くプログラム可能なピンセットを使って、最初は不規則なアレイの原子を1個ずつそして面を1枚ずつ配列して、ほぼあらゆる形状の目標構造を作製した。今回の結果は、空間に任意に配列した数十個のキュービットによる量子シミュレーションの可能性を示しており、個別に制御される数百個のキュービットからなる系を現在の技術で実現可能であることを明らかにしている。

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