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量子物理学:1800キュービットのプログラム可能な格子におけるトポロジカル現象の観測
Nature 560, 7719 doi: 10.1038/s41586-018-0410-x
1970年代のベレジンスキー、コスタリッツ、サウレスの研究で、超流動薄膜や超伝導体薄膜などの低次元物質のトポロジカル特性によって支配されるエキゾチックな物質相が明らかになった。この現象の特徴は、古典的XY模型に代表される、熱ゆらぎに起因する角度自由度における渦と反渦の出現と相互作用である。二次元イジング模型においては、古典的ケースではこの角度自由度は存在しないが、横方向の場が加わるとフラストレーションと量子ゆらぎの相互作用によって角度自由度が現れる可能性がある。従って、理論とシミュレーションから、その量子系(二次元横方向場イジング模型)においてコスタリッツ–サウレス相転移が予測されている。今回我々は、完全にフラストレートした正方形–八角形格子に対ごとに結合させて配置した1800個のプログラム可能なin situ超伝導ニオブ磁束キュービットからなるネットワークおいて、この現象の大規模量子シミュレーションを実証する。我々は、臨界挙動に不可欠な、連続回転対称性を伴う複素秩序パラメーターの出現と、系が臨界温度に近づく際の準長距離秩序の発現を観測した。我々は、一連の逆量子アニーリングプロトコルにおいてモンテカルロサンプリングを行うアニーリングベースの量子プロセッサーによって統計的推定を行う単純な方法を記述し、用いた。観測結果は、さまざまなハミルトニアンパラメーターにわたって古典的シミュレーションと一致していた。我々は、量子プロセッサーをプログラム可能な磁気格子として用いる今回の方法が、エキゾチック物質のシミュレーションや開発に広く用いられるようになると予想する。

