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天文学:系外惑星KELT-9b の大気中の原子状の鉄とチタン

Nature 560, 7719 doi: 10.1038/s41586-018-0401-y

系外惑星の形成史を絞り込むには、その化学組成を知る必要がある。平衡温度が約4050 Kの系外惑星KELT-9b(別名HD 195689b)は、ウルトラホットジュピターに分類される天体の典型で、恒星と系外巨大ガス惑星の間の過渡領域にまたがっているため、大気の化学を研究するのに有用である。こうした高温の状態では、鉄などの遷移金属は、分子や雲の粒子の中に閉じ込められているのでなく、原子の形態で単独で存在している。しかし、鉄は自然界に最も豊富に存在する遷移金属であるにもかかわらず、難揮発性であるため、系外惑星ではこれまで直接検出されたことはない。KELT-9bが高温であることから、その大気は、ほぼ化学平衡の状態であると予想される強く束縛された化学系で、雲がないと示唆されており、鉄のスペクトル線が可視光の波長領域で検出されるはずであると考えられてきた。本論文では、KELT-9bの大気における、中性および1階電離した原子状の鉄(FeとFe+)と、1階電離した原子状のチタン(Ti+)の観測について報告する。これらの原子種は、この系外惑星が親星の前面を通過したときに得られた高分解能スペクトルの相互相関解析を用いて同定された。他のウルトラホットジュピターの金属を同様に検出すれば、惑星形成理論を絞り込むことができる。

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