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材料科学:リチウム金属電池における固液界面とデンドライトのクライオSTEMマッピング

Nature 560, 7718 doi: 10.1038/s41586-018-0397-3

固液界面は、さまざまな化学的、物理的、生物学的過程において重要であるが、固体成分と液体成分の両方に適合する高分解能の特性評価方法がほとんどないため、多くの場合十分に理解されていない。例えば、金属リチウムデンドライトの析出に関係する過程や固体電解質相間層の形成は、高エネルギー密度リチウム金属電池における安全性と性能を決定する重要な要因であることが知られている。しかし、固液界面を直接観察することは困難なので、そうした界面で起こるこれら2つの過程に一体何が関与しているのかは、長年にわたって議論の的となってきた。今回我々は、生物学分野で含水試料のクライオ(極低温)透過電子顕微鏡(クライオTEM)観察を可能にした手法である、急速凍結による液体の固定化、すなわちガラス化を改良した。我々は、液体電解質をガラス化することによって、リチウム金属電池内の液体電解質と固液界面構造をそのままの状態で保存し、クライオ走査型透過電子顕微鏡法(クライオSTEM)による固液界面の構造マッピングと化学マッピングを可能にした。その結果、リチウムアノード表面に2つのタイプのデンドライトが共存し、これらの構造と組成はそれぞれ異なっていることが確認された。片方のタイプのデンドライトは固体電解質相間層が広がっているのに対し、もう片方は意外にも金属リチウムではなく水素化リチウムで構成されており、電池容量の損失に過度に寄与している可能性がある。今回の研究で得られたリチウムデンドライト形成に関する知見は、充電式電池などの機能性デバイスにおける損傷のない固液界面のナノスケールの過程をクライオ電子顕微鏡法によって精査できる可能性を明らかにしている。

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