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ゲノミクス:気道上皮の単一細胞アトラスからCFTRが豊富な肺塩類細胞が明らかになった
Nature 560, 7718 doi: 10.1038/s41586-018-0394-6
上皮組織の機能は、上皮に含まれる分化した細胞のタイプ、数、分布によって決定される。損傷後に組織機能を回復させるためには、複数の細胞タイプの間で生理的役割がどのように分配されているのか、また、恒常性、損傷–修復、疾患の間で細胞の状態がどのように変化するのかについて知る必要がある。誘導気道では、不均一な基底細胞集団から、粘膜繊毛クリアランスを行う特殊化した管腔細胞が生じる。今回我々は、ヒト気管支上皮細胞とマウス気管上皮細胞の単一細胞プロフファイリングを行い、誘導気道の細胞タイプと、それらの恒常性や再生における挙動について包括的な調査を行った。解析の結果、既知の細胞集団や新規の細胞集団を表す細胞状態が明らかになり、それらの不均一性が示され、また、恒常性状態の分化軌跡と組織修復の際の分化軌跡が異なることが突き止められた。さらに我々は、FOXI1、液胞型H+-ATPアーゼ(V型ATPアーゼ)の複数のサブユニット、嚢胞性繊維症で変異が見られる遺伝子CFTRを共発現する新規のまれな細胞タイプを見いだし、この細胞を「肺塩類細胞(pulmonary ionocyte)」と名付けた。免疫蛍光法、シグナル伝達経路の調節、電気生理学を用い、我々は、この肺塩類細胞の産生を引き起こすには、Notchシグナル伝達が必要で、FOXI1発現が十分であること、また、肺塩類細胞は誘導気道上皮におけるCFTR活性の主な供給源であることを明らかにした。

