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視覚:鳴禽類の一種における色シグナルの範疇知覚

Nature 560, 7718 doi: 10.1038/s41586-018-0377-7

動物は、多くの状況において、個体間で連続的に変化するシグナルを用いて互いを評価する。こうしたシグナルは概して、シグナル発信者の質の差異を反映している。シグナル受信者は、シグナルの連続的な変化を連続的に知覚して応答すると考えられることが多い。一方で、弁別や分類、またはその両方には限界があるため、シグナルの知覚および応答は非連続的である可能性もある。弁別とは、2つの刺激を区別する能力のことで、例えば、色相中の互いに似通った色を見分けられるかどうかなどをいう。分類は、類似性に基づいて刺激が分類されるかどうかに関連し、例えば、色相中の質的に類似した複数の色を、区別が可能であっても似た色と特定することなどを意味する。範疇知覚(カテゴリー知覚)は、知覚系が連続的に変化する刺激を分類する機構であり、範疇の境界に照らして弁別に関する特定の予測を行う。今回我々は、キンカチョウ(Taeniopygia guttata)の雌が、雄のくちばしの色の橙色から赤色のスペクトルという連続的に変化する評価シグナルを範疇知覚することを示す。範疇知覚に関する2つの予測はいずれも、雌が(1)連続的に変化する色の刺激を分類し、(2)範疇境界の異なる側に位置する色同士を同一の範疇内の同等に異なる色同士よりも強く弁別したことで裏付けられた。我々の知る限り、今回の結果は、鳥類種におけるシグナルに基づく色の範疇知覚の初めての実証であり、鳥類の色覚およびシグナル進化の全般の理解に関係してくる。

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