Letter

炭素循環:最近数十年にわたって全球的に増加している土壌の従属栄養生物呼吸

Nature 560, 7716 doi: 10.1038/s41586-018-0358-x

全球の土壌は、地球大気の少なくとも2倍の炭素を貯蔵している。全球的な土壌から大気へ(全土壌呼吸RS)の二酸化炭素(CO2)フラックスは増加しているが、従属栄養生物呼吸(RH)の結果生じる土壌からの炭素の損失を、気候変動がどの程度促進するかは、まだほとんど分かっていない。本論文では、最新の全球土壌呼吸データベースを用いて、観測された土壌表面のRH:RS比は、1990~2014年に0.54から0.63へと有意に増加した(P = 0.009)ことを示す。この知見は、3つの一連の付加的証拠によって裏付けられた。我々は、全球総一次生産の2つの別々のデータセットを分析して、総一次生産に対するRHRSの比率がいずれも時間とともに増加していることを見いだした。同様に、利用できるもののうちで最も期間の長い太陽光誘発クロロフィル蛍光の全球データセットと、全球陸域モデルのアンサンブルによって算出された総一次生産に対して、RHの有意な増加が見られた。さらに我々は、FLUXNET2015データセット全体を通して、総一次生産に対する夜間の純生態系交換の比率が増加していることも示す。全ての傾向は、生態系の種類、かく乱、方法論、CO2肥沃化効果、平均気候におけるサンプリングのばらつきに対してロバストである。総合すると、今回の知見から、おそらく環境の変化に応答して全球的なRHが増大しているという観測証拠が得られた。これは、メタ分析や長期実験に一致している。今回の結果は、気候によって駆動される土壌炭素の損失が現在多くの生態系にわたって生じていて、全球スケールで、検出可能で持続的な傾向が現れていることを示唆している。

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