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神経科学:興奮と抑制の同調の差異がフェレット視覚皮質の運動方向選択性を形成する

Nature 560, 7716 doi: 10.1038/s41586-018-0354-1

特定の感覚入力を符号化するためには、皮質ニューロンは異なる刺激特徴に対して選択的な反応を生成しなくてはならない。原理上、多様な因子が皮質ニューロンの反応選択性に関与し得る。例えば、興奮性シナプス入力と抑制性入力の同調と強度、樹状突起の非線形性、そして活動電位発火の閾値などである。今回我々は、in vivoでのホールセル記録、シナプスレベルおよび細胞レベルの分解能のin vivo二光子カルシウムイメージング法、GABA(γ-aminobutyric acid)ニューロン選択的光遺伝学的操作などを組み合わせて、フェレット視覚野(V1)の2/3層ニューロンの運動方向選択的応答に関与する複数の因子を調べた。樹状突起棘の二光子カルシウムイメージングから、各ニューロンは、当該細胞の嗜好方向やヌル方向の運動に選択的な興奮性シナプス入力を混合して受け取っていることが分かった。嗜好方向とヌル方向に同調した興奮性入力の数比から、ニューロン細胞の嗜好方向を予測することはできたが、方向選択性の程度までは説明できなかった。一方、in vivoホールセル・パッチクランプ記録からは、発火閾値以下の反応に、発火の方向選択性と有意に相関する顕著な方向選択性が見られることが明らかになった。閾値下の方向選択性はヌル方向運動への反応の大きさと変動から予測可能であり、電気伝導度測定などのいくつかの証拠から、興奮と抑制の同調の差異がヌル方向運動への反応を抑制していることが明らかになった。この考え方と一致して、2/3層のGABA作動性ニューロンを光遺伝学的に不活性化すると、ヌル方向への反応を強めることにより、方向選択性が低下した。さらに、in vivoで2/3層の抑制性ニューロンの結合を光遺伝学的にマッピングすると、2/3層の抑制性ニューロンは、反対方向の運動を嗜好する興奮性ニューロンに、長距離のコラム間投射を行っていることも分かった。フェレットV1の2/3層の方向選択性の程度に、皮質内抑制はヌル方向運動への反応の抑制を介して大きな影響を与えている、と我々は結論する。

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