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進化学:島嶼のトカゲの形態に働く、ハリケーンに誘導された選択
Nature 560, 7716 doi: 10.1038/s41586-018-0352-3
ハリケーンは非常に破壊的で、人命や生活に損害をもたらすだけでなく、生態系にも甚大でしばしば長期に及ぶ影響を与える。ハリケーンによる大量死の事例は数多くあるが、ハリケーンに誘導される自然選択についてはまだ実証されたことはない。我々が、タークス・カイコス諸島全域で広く見られる小型のトカゲであるアノールトカゲの一種Anolis scriptusについて調査を終えた直後、対象となった個体群はハリケーン「イルマ」と「マリア」に襲われた。その後間もなく、我々はこれらの個体群について再調査を行い、しがみつく能力に関連する形態形質が最初の調査からの6週間で変化したかどうか調べた。その結果、ハリケーン後に生き残っていたトカゲ個体群では、ハリケーン前に存在した個体群と比べて、体サイズ、相対的四肢長、趾下薄板のサイズに違いが見られた。偶然行われた今回の研究は、我々の知る限り、直前と直後の比較を用いてハリケーンが引き起こした選択を調べた初めての試みであり、ハリケーンが個体群内で表現型の変化を誘導し得ることを実証するとともに、その原因が自然選択であることを強く示唆している。今後数十年で極端な気候事象はさらに激しく頻繁になると予測されており、進化の動態の理解においては、これらの潜在的に重大な選択事象の影響を組み入れる必要がある。

