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分子生物学:シールディン複合体は53BP1依存的DNA修復を仲介する

Nature 560, 7716 doi: 10.1038/s41586-018-0340-7

53BP1はクロマチン結合タンパク質で、核酸分解によるDNA末端の削り込みを抑制することにより、DNA二本鎖切断の修復を調節する。53BP1のこの働きには、PTIPやRIF1との相互作用が必要であり、RIF1はREV7(別名MAD2L2)を切断部位へと誘導する。53BP1経路のタンパク質がDNA末端を保護する仕組みは今のところ不明だが、この働きを最もよく説明し得るモデルは2つある。一方のモデルでは、53BP1複合体は、末端を削り込むヌクレアーゼに対するヌクレオソームの障壁を強化するとされており、もう一方のモデルでは、53BP1が末端保護作用を持つエフェクタータンパク質を誘導するとされている。今回我々は、53BP1のエフェクター複合体シールディン(shieldin)を突き止めた。シールディン複合体には、C20orf196(別名SHLD1)、FAM35A(SHLD2)、CTC-534A2.2(SHLD3)、REV7が含まれる。シールディンは53BP1とRIF1に依存して二本鎖切断部位に局在し、そのSHLD2サブユニットが、RPA1やPOT1が持つのとよく似たOBフォールドドメインを介して一本鎖DNAに結合する。シールディンがないと、非相同末端結合修復がうまく起こらず、免疫グロブリンのクラススイッチの異常につながり、末端の過剰な削り込みの原因となる。シールディンのサブユニットをコードする遺伝子の変異は、相同組換え回復させるため、BRCA1欠損細胞や腫瘍におけるポリADPリボースポリメラーゼ阻害に対する抵抗性も引き起こす。さらに、SHLD2の一本鎖DNAへの結合がシールディンの機能に不可欠であることを明らかにし、シールディンがDNA末端を保護して、53BP1に依存したDNA修復を仲介するというモデルが裏付けられた。

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