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神経科学:海馬での神経新生は腹側歯状回の抑制によってストレスに対するレジリアンスを付与する
Nature 559, 7712 doi: 10.1038/s41586-018-0262-4
成体海馬歯状回での神経新生は、環境からの影響により高度に調節されており、ストレスや抗うつ剤に対する行動応答と機能的に関連するとされている。しかし、成体で新生したニューロンが、歯状回の情報処理を調節して、ストレスに誘発される不安様行動を防ぐ仕組みは分かっていない。今回我々は、マウスを用いて、神経新生が、歯状回の亜領域で気分調節に関与する腹側歯状回(vDG)で成熟した顆粒細胞の活動を抑制して、慢性ストレスに対するレジリアンス(回復力)を付与することを明らかにする。vDGの成体新生ニューロンを化学遺伝学的方法で抑制すると、社会的敗北ストレスへの感受性が増す一方、神経新生の増加は慢性ストレスに対するレジリアンスを与えることが分かった。in vivoカルシウム画像化法を用いて、vDGの大規模細胞集団の神経活動を記録することによって、神経新生の増加が、攻撃を受けている最中や不安を生じさせる環境内を探索する際に活動するストレス応答細胞の活動低下につながることが示された。また、vDGの直接的抑制がストレスに対するレジリアンスを付与し、その一方でvDGの興奮がストレス感受性を高めることから、上述の歯状回活動への影響は、ストレスからのレジリアンスに必要かつ十分なものといえる。今回の結果は、vDGの活動が、ストレスやそれに関連する精神障害への脆弱性の個体差を決める重要な要因である可能性を示唆している。

