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寄生虫感染症:寄生蠕虫が腸の幹細胞ニッチに胎仔様状態への逆戻りを誘導する

Nature 559, 7712 doi: 10.1038/s41586-018-0257-1

上皮表面は、外界に対する重要な障壁を形成しており、成体幹細胞によって絶えず更新されている。恒常的な状態での上皮幹細胞の動態に関する理解は進んできているが、損傷後に幹細胞を組織維持プログラムから修復開始へと方向転換させる仕組みは分かっていない。今回我々は、マウスと共進化した病原性の腸管寄生蠕虫Heligmosomoides polygyrusによる感染について調べ、粘膜障壁の破壊に対する上皮応答を評価した。H. polygyrusは、十二指腸粘膜に侵入することで組織完全性を破壊し、多細胞からなる肉芽腫性の浸潤構造に取り囲まれながら成長する。幼虫関連肉芽腫を覆う陰窩は、上皮増殖を継続しているにもかかわらず、Lgr5などの腸幹細胞マーカーを発現していなかった。肉芽腫に関連したLgr5陰窩上皮は、Sca-1発現で明らかなように、インターフェロンγ(IFN-γ)依存性転写プログラムを活性化しており、また、肉芽腫にはIFN-γ産生免疫細胞が見られた。同様の上皮応答は、免疫細胞の全身性活性化、腸への放射線照射、あるいはLgr5+腸幹細胞の除去に伴って起こった。肉芽腫関連陰窩細胞をin vitroで培養すると、胎仔上皮により形成されるのと同様のスフェロイドを形成し、また、H. polygyrusによって誘導された細胞集団の一部では、胎仔様の転写プログラムが活性化されていたことから、成体の腸組織は、胎仔の発生の状況を別の目的のために再利用できることが実証された。従って、発生プログラムの再開始が、腸陰窩が損傷後に機能を維持するために陰窩自体を再構築できるという基本的機構であることを示している。

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