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がん治療:トランスあるいはシスの二量体接触面の変異を介したIDH阻害に対する獲得抵抗性

Nature 559, 7712 doi: 10.1038/s41586-018-0251-7

イソクエン酸デヒドロゲナーゼ2遺伝子(IDH2)の体細胞変異は、がん代謝物の2-ヒドロキシグルタル酸(2HG)の産生を介した急性骨髄性白血病(AML)の発生に寄与する。エナシデニブ(AG-221)はアロステリック阻害剤であり、IDH2二量体の接触面に結合し、IDH2変異による2HGの産生を阻害する。エナシデニブは、第I/II相臨床試験で、再発性あるいは難治性IDH2変異型AMLにおいて2HGの産生を阻害し、臨床反応を誘導した。本研究では、エナシデニブに臨床反応を示した後に、臨床抵抗性と、がんのプログレッション、および2HGの血中レベルの再発性増加が見られた2人のIDH2変異型AML患者について報告する。治療抵抗性は、IDH2の第二の部位の変異(second-site mutation)のトランスでの出現と関連しており、抵抗性変異がR140Qネオモルフ変異を持たない方のIDH2対立遺伝子に生じていた。このようなトランス変異は、グルタミン316(Q316E)とイソロイシン319(I319M)で生じ、これらはエナシデニブがIDH2二量体に結合する接触面に位置している。これらの変異型疾患対立遺伝子のどちらか一方だけの発現では、2HGの産生を誘導しないが、Q316E変異あるいはI319M変異がR140Q変異と共にトランスで発現すると2HGの産生が可能になり、エナシデニブによる阻害に抵抗性を示す。生化学研究からは、アロステリックなIDH阻害剤に対する抵抗性は、IDH二量体接触面のシスの変異を介しても起こり得ることが予測され、IDH1阻害剤イボシデニブ(AG-120)に対する獲得抵抗性を持つ患者で確認された。我々の結果は、標的治療に対して獲得抵抗性が生じる機構を明らかにするとともに、IDH変異型悪性腫瘍の発生における2HG産生の重要性を明示している。

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