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構造生物学:三日熱マラリア原虫に不可欠な侵入複合体のクライオ電子顕微鏡構造

Nature 559, 7712 doi: 10.1038/s41586-018-0249-1

三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)は最も広く分布するマラリア寄生虫で、ヒトに感染し、網状赤血球だけに侵入する。侵入が成功するかどうかは、三日熱マラリア原虫の網状赤血球結合タンパク質2b(PvRBP2b)とトランスフェリン受容体1(TfR1)との特異的な相互作用によって決まる。TfR1が欠失した赤芽球細胞は三日熱マラリア原虫の侵入に抵抗性を示し、抗PvRBP2bモノクローナル抗体は野生分離株で網状赤血球への原虫の結合を阻害し、侵入を阻止する。今回我々は、PvRBP2bがヒトTfR1およびトランスフェリンと結合した三元複合体の高分解能クライオ(極低温)電子顕微鏡構造(分解能3.7 Å)について報告する。変異解析から、PvRBP2b中の複合体形成に関わる残基は保存されていることが明らかになった。これは、三日熱マラリア原虫の種々の株にわたって広く作用する抗原を設計できる可能性を示唆している。TfR1の機能解析から、重要なハウスキーピングタンパク質であるTfR1を三日熱マラリア原虫が乗っ取る仕組みがはっきりした。原虫は、宿主特異性を支配する複数部位への結合によって受容体を乗っ取り、鉄輸送というTfR1の細胞機能には影響を及ぼさない。抗体断片と複合体を形成したPvRBP2bの結晶構造および溶液構造から、阻害性エピトープの詳細が明らかになった。これらの結果は、三日熱マラリア原虫の網状赤血球結合タンパク質が受容体に結合する仕組みや阻害性モノクローナル抗体の分子レベルの作用機構を理解する構造的枠組みを確立するもので、新規なワクチン候補の設計に役立つ重要な情報が得られる。

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