Letter

発生生物学:哺乳類の脂肪組織において脂肪生成を阻害するストローマ細胞集団

Nature 559, 7712 doi: 10.1038/s41586-018-0226-8

脂肪細胞の発生および分化は、肥満症とその併存疾患の病因において重要な役割を果たしている。成熟脂肪細胞を生じる脂肪生成幹細胞および脂肪生成前駆細胞についての研究は多数行われてきたが、これらの細胞のin vivo起源および特性に関する我々の理解はまだ不十分である。その理由の一部は、脂肪組織の高度に不均質で構造化されていないという性質にあり、蛍光標示式細胞分取(FACS)法やCre–lox系など、候補マーカー遺伝子に基づく標準的な手法では分子的な解析が難しいことが分かっている。今回我々は、マウスモデルで単一細胞トランスクリプトミクスの高い分解能を用いることにより、皮下脂肪組織の間質血管細胞群に存在する脂肪幹細胞および脂肪前駆細胞の特異な亜集団を見いだした。これらの亜集団のうち1つは、脂肪細胞の形成をin vivoおよびin vitroで傍分泌様式で抑制できるCD142+脂肪生成制御性細胞であることが明らかになった。また、脂肪生成抑制細胞は脂肪生成には不応答で、これらがヒトで機能的に保存されていることが分かった。我々の知見は、脂肪生成制御性細胞が、代謝制御、異なるインスリン感受性および2型糖尿病と関連する脂肪組織の可塑性の調節において、非常に重要な役割を担っている可能性を示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度