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核物理学:量子色力学による核子の軸性結合のパーセントレベルの決定

Nature 558, 7708 doi: 10.1038/s41586-018-0161-8

電荷が電磁カレントとの結合の強さであるのとほぼ同じように、核子の軸性結合gAは素粒子物理学の標準模型の弱い軸性カレントとの核子の結合の強さである。この軸性結合は、中性子が陽子に崩壊する率や、核子間の長距離引力の強さなどの核物理学の特徴を決定する。核環境における標準模型の精密検証には、標準模型の柱の1つである量子色力学に基づく核物理学の定量的な理解が必要である。gAはその重要性ゆえに、理論的に決定すべき基準量となっているが、量子色力学は非摂動的であり既知の解析方法を適用できないので、その決定は困難な課題となっている。格子量子色力学では、数値的に実行可能な量子色力学の厳密な非摂動的定義が得られる。計算において励起状態によるgAのコンタミネーションを制御しなければならないこと、そして統計精度を著しく改善しなければならないことの2つの課題が克服されれば、2020年までに2%の精度が可能と見積もられている。今回我々は、ファインマン–ヘルマンの定理に着想を得た型破りな方法を用いて、これらの課題を克服した。その結果、1.271 ± 0.013というgAの値が算出され、その精度は約1%であった。

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