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古生態学:安定同位体から明らかになった初期四肢類の広塩性の生態学

Nature 558, 7708 doi: 10.1038/s41586-018-0159-2

魚類から四肢類への移行とそれに続いて起こった陸生化は、脊椎動物の進化における重大な一歩であり、その結果生じたクレードは現在3万種を超す四肢類で構成され、成功を収めている。初期の四肢類イクチオステガ(Ichthyostega)は、1929年にグリーンランド東部のデボン系旧赤色砂岩堆積層(推定年代は約3億6500万年前)で発見された。以降、魚類から四肢類への移行に関する我々の理解は、初期四肢類または進化的にそれに近縁な分類群を代表する新たなデボン紀タクソンの発見により、大いに深まっている。しかし、初期四肢類および関連する脊椎動物相が生息していた水域の環境は、今なお明らかでなく盛んに議論されている。今回我々は、複数の安定同位体比(δ13C、δ18Oおよびδ34S)を用いた分析によって、初期四肢類を含む一部のデボン紀脊椎動物が広塩性であり、河口や三角州などの塩分が急激に大きく変化するような移行的水域環境に生息していたことを示す。初期の四肢類クレードが、後期デボン紀の生物が直面した複数の危機を生き延び、その後陸域環境で繁栄を遂げることができたのは、広塩性を有していたためである可能性がある。

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