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物性物理学:ニッケルにおける異方性磁気ペルチェ効果の観測

Nature 558, 7708 doi: 10.1038/s41586-018-0143-x

1834年に発見されたペルチェ効果は、伝導体において電流を熱流に変換する現象であり、その性能は、印加電流に対する生成熱流の比として定義されるペルチェ係数によって記述される。ペルチェ効果を利用して熱電冷却や熱電加熱を行うには、ペルチェ係数の異なる2つの伝導体の接合が不可欠であると考えられてきた。今回我々は、接合のない単一の物質においてペルチェ冷却・加熱を実証することによって、この従来の定説を覆す。この実証は、強磁性体におけるペルチェ係数が電流の方向と磁化の方向のなす角度に依存する異方性磁気ペルチェ効果を通して行われた。我々は、アクティブサーモグラフィー法を用いて、単純なニッケル板においてこの効果によって誘起された温度変化を観測した。例えば、電流が曲線を描くように流れざるを得ないよう強磁性体を成形することによって、電流と磁化の配置を変えるだけで強磁性体の熱電特性を再構成できることが見いだされた。今回の実験結果は、ニッケルが異方性磁気ペルチェ効果に適していることと、その機構においてスピン–軌道相互作用が重要であることを示している。今回観測された異方性磁気ペルチェ効果は、強磁性体において過去に観測された異方性磁気ゼーベック効果とオンサーガー相反関係にあり、未観測であった強磁性物質中の熱電現象である。そのシンプルさは、電子デバイスやスピントロニクスデバイス向けの熱管理技術の開発に役立つ可能性がある。

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