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量子物理学:フォトニクスを用いて分子の振動量子ダイナミクスをシミュレートする

Nature 557, 7707 doi: 10.1038/s41586-018-0152-9

分子の振動量子状態を制御する技術の進歩によって、そうした系のモデリングに新たな課題がもたらされる。こうした課題は、量子シミュレーション法で対処できる可能性がある。今回我々は、分子の振動と導波路の光子の間の自然なマッピングを利用することによって、さまざまな分子における種々の動的量子挙動の汎用シミュレーションプラットフォームとして再プログラム可能なフォトニックチップを実証する。我々はまず、数種の4原子分子(H2CS、SO3、HNCO、HFHF、N4、P4など)について調和近似で振動励起の時間発展をシミュレートした。次に、タンパク質のペプチド結合の最も単純なモデルであるN-メチルアセトアミドにおけるコヒーレントなエネルギー輸送と離調したエネルギー輸送をシミュレートするとともに、H2Oにおける熱緩和と非調和効果をシミュレートした。そして、フィードバック制御アルゴリズムとともに多光子統計を用いて、NH3の特定の解離経路を増強する量子状態を繰り返し特定した。今回の方法は、分子量子ダイナミクスやフェムト秒化学分野向けに新しい強力なシミュレーションツールを提示するものである。

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