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核物理学:天体物理学的エネルギーでの共鳴による12C + 12C核融合反応率の増大

Nature 557, 7707 doi: 10.1038/s41586-018-0149-4

炭素燃焼は、大質量星(太陽質量の8倍を超える)の後期進化過程や、質量降着を伴う中性子星からのスーパーバーストといった星の運命を決定付けるシナリオの原動力である。炭素燃焼は、アルファ粒子とネオン20または陽子とナトリウム23を生成する12C + 12C核融合反応(すなわち、12C(12C, α)20Neや12C(12C, p)23Na)を通して0.4 × 109 Kより高温で進行する。この温度領域は、メガ電子ボルトを超える天体物理学的エネルギーに相当し、こうした核反応は星の中で起こっている可能性が高い。これらの炭素核融合反応の断面積(反応率の計算に必要な確率)は、クーロン障壁に起因する指数関数的な減衰のため、これまで2 MeV未満のガモフ・ピークで測定されたことはなかった。1.2 × 109 K未満の温度での標準反応率は、存在している可能性がある低励起状態の共鳴の効果を無視した外挿によるものである。本論文では、トロイの木馬法と14N内の重陽子を使って、重心系エネルギーで2.7~0.8 MeVの12C(12C, α0,1)20Neや12C(12C, p0,1)23Na(下付き文字の0は20Neや23Naの基底状態を、1は第1励起状態を示す)の反応率を測定した結果を報告する。推測された断面積はいくつかの共鳴を示し、これらは関連する温度域で反応率の大幅な増加の原因となる。特に、5 × 108 K辺りで、反応率は標準値の25倍以上に大きく跳ね上がる。今回の知見は、大質量星内の炭素燃焼の点火に必要な温度や密度を下げ、質量降着を伴う中性子星におけるスーパーバーストの点火深さを浅くするなどの影響を及ぼし、理論的モデルと観測結果のずれを小さくする可能性がある。

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