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構造生物学:レジオネラ菌のエフェクターSdeAによるユビキチン修飾の構造基盤
Nature 557, 7707 doi: 10.1038/s41586-018-0146-7
タンパク質のユビキチン化は多様な結果をもたらす翻訳後修飾で、真核細胞で起こるほぼ全ての過程を制御している。最近、レジオネラ菌(Legionella)のエフェクターSdeAが、そのモノADPリボシルトランスフェラーゼ(mART)ドメインとホスホジエステラーゼ(PDE)ドメインが連続的に働くユビキチン(Ub)のArg42修飾を介して、ホスホリボシル基で連結される独特のユビキチン化を行うことが報告された。しかし、SdeAが仲介するUb修飾、およびホスホリボシル基で連結されるユビキチン化の機構はまだ不明である。今回我々は、リガンドが結合していない状態、Ubが結合している状態およびUb-NADHが結合している状態のSdeAの構造を報告する。これらの構造から、SdeAのmARTドメインとPDEドメインがそのC末端領域の上に触媒ドメインを形成していることが明らかになった。Ubが結合すると、SdeAのmARTドメイン中のカノニカルなARTT(ADP-ribosyltransferase toxin turn-turn)ループとPN(phosphate-nicotinamide)ループが顕著なコンホメーション変化を起こす。UbのArg72が「探針」のように働いて、まずmARTドメインと相互作用し、次いでUbのADPリボシル化の際にArg72とArg42の側鎖に動きが生じるらしい。我々の研究は、SdeAが仲介するUb修飾の機構を明らかにしており、これはホスホリボシル基が連結するユビキチン化過程のさらなる研究への枠組みを提供するものである。

