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集団遺伝学:ユーラシアのステップ全域に由来する137例のヒト古代ゲノム
Nature 557, 7705 doi: 10.1038/s41586-018-0094-2
ユーラシアのステップ地域は、数千年にわたり人類移動および文化的変化の中心となってきた。今回我々は、青銅器時代の移動以降のユーラシアステップの集団史を理解するために、4000年にわたる期間に由来する137例のヒト古代ゲノムについて、塩基配列を解読した(平均カバー率は約1倍)。その結果、鉄器時代を通してユーラシアステップを優占していたスキタイ人集団の遺伝的特徴は高度に構造化されており、後期青銅器時代の牧畜民、ヨーロッパの農耕民、シベリア南部の狩猟採集民からなる多様な起源を持つことが分かった。その後、スキタイ人は匈奴連合体を形成したステップ東部の遊牧民と混合し、紀元前3世紀もしくは2世紀頃に西方へ移動して、4~5世紀にはフン族の伝統を築くとともに、「ユスティニアヌスの疫病」の根源となるペストを持ち込んだ。これらの遊牧民はさらに、中世の複数の短い汗国の時代に東アジアの集団と混合した。こうした歴史的事象により、ユーラシアステップは、ユーラシア西部の系統が大部分であるインド・ヨーロッパ語族の居住地から、主として東アジア系統の、現在の主にチュルク語を話す集団の居住地へと変遷を遂げた。

