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古生物学:イクチオルニスの完全な頭蓋が明らかにする鳥類頭部のモザイク状集合

Nature 557, 7703 doi: 10.1038/s41586-018-0053-y

現生鳥類の頭蓋は、祖先である恐竜類に見られる状態から大きく変化している。鳥類の頭蓋には、歯のない拡大した前上顎のくちばしと、可動性の口蓋および顎の懸垂骨(jaw suspensorium)を含む複雑な動力学系が存在する。鳥類の拡張した神経頭蓋は拡大した脳を保護しており、その両側には縮小した顎内転筋が位置している。しかし、こうした特徴が出現した順序や、それらが最初に現れた際の状況については、いまだ明らかにされていない。後期白亜紀の有歯鳥類イクチオルニス(Ichthyornis dispar)は、現生鳥類の外側で系統発生学的に重要な位置を占めており、現生鳥類の放散に近いが、祖先的な形質を多数保持している。イクチオルニスの進化的な重要性は引き続き支持されているものの、1870年代に発見された不完全な遺骸の他に、イクチオルニスの有用な頭蓋標本の新たな報告例はない。ジュラ紀および白亜紀の化石鉱床からは重要な鳥群化石が出土しているが、それらの頭蓋は概して破砕または変形している。本論文では、1点のこの上なく完全な頭蓋を含む、イクチオルニスの三次元的に保存された標本4点に加え、エール大学ピーボディ自然史博物館のホロタイプYPM 1450のこれまで見過ごされてきた2つの要素について報告する。これらの標本を用いて、高分解能のコンピューター断層撮影を行うことにより、イクチオルニスの頭蓋のほぼ完全な三次元復元像が得られた。我々の研究からは、イクチオルニスが、小さくて口蓋棚を欠く、顎の先端部のみに限定された過渡的なくちばしを持ち、その動力学系は現生鳥類のものに似ていることが明らかになった。従って、現生鳥類の摂餌装置であるくちばしは従来の想定よりも早い時期に進化し、その構成要素は機能的および発生学的に調整されていたと考えられる。イクチオルニスの脳は比較的現代的だが、その側頭領域は意外にも恐竜類のものに近く、大きなadductor chamber(下顎内転筋を収める空間)を維持しており、その背側は祖先的な爬虫類様の上側頭窓を形成する大きな骨構造に接していた。こうした特徴の組み合わせは、鳥類の脳および口蓋の重要な特性が、顎の筋肉系の縮小やくちばしの完全な変形に先行して進化したことを示している。

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