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構造生物学:神経ペプチドYのY1受容体におけるリガンド結合様式の構造基盤

Nature 556, 7702 doi: 10.1038/s41586-018-0046-x

神経ペプチドY(NPY)受容体はGタンパク質共役受容体スーパーファミリーに属し、摂食、不安やがんの生物学的性質に重要な役割を果たしている。NPY–Y受容体系は最も複雑なネットワークの1つであることが明らかになっていて、ほとんどの哺乳類で3種類のペプチドリガンド(NPY、ペプチドYY、膵臓ポリペプチド)が4種類の受容体(すなわちY1、Y2、Y4、Y5受容体)に結合し、結合の親和性や選択性はさまざまに異なっている。NPYは最も強力な摂食促進因子で、この作用は主にY1受容体(Y1R)によって仲介される。複数のペプチドや低分子化合物がY1Rのアンタゴニストであることが明らかになっており、肥満、腫瘍、骨量減少の治療に臨床で使える可能性が示されている。しかし、効果と選択性が低く、脳への透過性が不良で、経口摂取した場合の生体内利用可能量が不足していることが、これらの臨床使用を妨げてきた。今回我々は、2種類の選択的アンタゴニストUR-MK299とBMS-193885に結合したヒトY1Rの結晶構造を、それぞれ2.7 Åと3.0 Åの分解能で決定した。変異誘発実験とこれらの構造を組み合わせることにより、構造的に違いのある複数のアンタゴニストに対するY1Rの結合様式と、リガンド選択性を決定する要因が明らかになった。Y1Rの構造と内在性アゴニストであるNPYの分子ドッキング法による研究は、核磁気共鳴法や光架橋実験、機能研究の結果と共に、NPYの結合挙動について手掛かりを与えるもので、またNPYのN末端と受容体との相互作用が、我々の知る限り初めて明らかにされた。Y1Rに関するこれらの知見によって、NPY受容体を標的とする薬剤の構造に基づく創薬が可能になるだろう。

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