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海洋科学:鉛直移動する遊泳動物は成層水柱中に集合体スケールの渦を生じる

Nature 556, 7702 doi: 10.1038/s41586-018-0044-z

生物の移動で生じる乱流は、栄養塩輸送および海洋混合の大きな要因であるという説がある。しかし、無視できないほどの輸送および混合を生じるには、そうした乱流は海洋の成層の長さスケールに匹敵する規模の渦を生成しなければならない。過去の研究では、生物の移動で生じる乱流の規模は関与する動物個体の大きさに制限されると主張されており、これに照らすと、オキアミのような個体数の極めて多い、センチメートルスケールの動物プランクトンが作り出す乱流は、海洋混合には影響しないことになる。動物プランクトンは、個々のサイズは小さいが、数百メートルにわたって日周鉛直移動を行う際には、鉛直方向に数十メートルに及ぶ高密度の集合体を形成する。この行動は、集合体のスケールといった新たな長さスケールをもたらす可能性があり、このスケールでは動物の周囲の水柱との相互作用が無視できないものとなる。今回我々は、ブラインシュリンプ(Artemia salina)に代表されるセンチメートルスケールの遊泳動物の集団鉛直移動が、集合体スケールの渦を生じ、この渦が安定した密度成層を混合して、塩分の分子拡散率を最大で3桁上回る有効乱流拡散率を生じることを明らかにする。観察されたこれらの大規模な混合渦は、動物個体が集合して上向きに泳ぐときに大規模な下向きの噴流が形成されて生じる流れによるものであり、こうした流れは、海洋で通常観察される値よりも大きな密度成層が存在する場合であっても生じる。この結果は、海洋性動物プランクトンが水柱の物理学的構造や生物地球化学的構造を大きく変化させる能力を有しており、個体数の多さから、気候的に重要な海域においてその影響が広範に及んでいる可能性を示している。

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