Article

有機化学:エナンチオ収束的な触媒的SN1反応による第四級立体中心の構築

Nature 556, 7702 doi: 10.1038/s41586-018-0042-1

一分子求核置換(SN1)機構は、あらゆる有機化学入門課程において大きく取り上げられている。原理的には、脱離基がカルボカチオン中間体を経て求核剤で段階的に置換されることによって、非常に立体的に混み合った炭素中心の構築が可能になる。しかし、カルボカチオン中間体は本質的に不安定であり反応性が高いため、SN1経路で進行する反応では、生成物の分布と立体選択性の制御が非常に難しい。今回我々は、ラセミ前駆体から第四級立体中心がエナンチオ選択的に構築される、SN1型反応機構の不斉触媒反応について報告する。この変換では、キラルな水素結合ドナー触媒と強いルイス酸プロモーターの相乗作用に依存して、低温で第三級カルボカチオン中間体が形成され、反応のエナンチオ選択性と生成物の分布が高度に制御される。今回の研究は、他の完全置換炭素立体中心のエナンチオ収束的合成の基礎を築くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度