Letter
光材料学:低損失プラズモン支援電気光学変調器
Nature 556, 7702 doi: 10.1038/s41586-018-0031-4
電磁波と金属表面近傍の自由電子運動の結合を研究するプラズモニクス分野では、20年近くにわたって、情報技術、センシング、非線形光学、光ナノピンセット、生物医学への応用向けにサブ波長光学デバイスの実現が試みられてきた。しかし、電子運動は抵抗損失を通して熱を生成する。この熱は、光熱療法などの一部の用途には好ましいが、センシングや情報技術向けのプラズモニックデバイスでは欠点となり、プラズモニクスは損失が大き過ぎて実用的ではないとの見方が広まった。今回我々は、「共鳴スイッチング」の使用で抵抗損失を回避できることを実証する。この方法では、損失性の表面プラズモンポラリトンと光が、減衰が望ましいデバイスのオフ状態(共鳴状態)のときにのみ結合して、オン状態とオフ状態の間の消光比が大きくなり、サブピコ秒のスイッチングが可能になる。オン状態(共鳴状態にない)では、相殺的干渉によってデバイスの損失性プラズモニック部分と光の結合が阻止される。我々はこの方法の妥当性を示すために、プラズモニック電気光学リング変調器を作製した。実験によって、低いオンチップ光学損失、100 GHzを超える動作、優れたエネルギー効率、低い熱ドリフト、小さな占有面積を、1つのデバイスで同時に達成できることが確認された。今回の結果は、プラズモニクスによって高速かつ小型のオンチップセンシング技術やオンチップ通信技術を実現できる可能性を例証している。

