天文学:赤方偏移4.3の位置にある銀河団の大質量コア
Nature 556, 7702 doi: 10.1038/s41586-018-0025-2
大質量の銀河団は、ビッグバン後30億年という早い時期にまでさかのぼって発見されており、より早い時代に形成された星を含んでいる。高赤方偏移に位置する、こうした銀河団の前駆天体は「原始銀河団」と呼ばれ、宇宙論的シミュレーションで、暗黒物質の密度超過(平均よりも大きな密度)が最大のものとして見いだされることがある。原始銀河団は、明るいスターバースト銀河として観測される可能性のある、極めて大質量の銀河を含むと予想されている。しかし、そのようなスターバースト銀河を含むと考えられる原始銀河団の最近の検出では、シミュレーションから予測されるような急速な銀河団コアの形成は支持されていない。観測された構造は、広い領域に広がる少数のスターバースト銀河しか含んでおらず、原始銀河団へと収縮する証拠はほとんどないのである。本論文では、電波源SPT2349-56からの、一酸化炭素と電離した炭素の放射の観測について報告する。我々は、この電波源が少なくとも14個のガスに富む銀河からなり、それらの全てが赤方偏移4.31の位置にあることを見いだした。これらの銀河は、それぞれが天の川銀河の50~1000倍速く星を形成しており、直径にしてわずか約130キロパーセクの投影領域内に位置していることが明らかになった。この銀河表面密度は、全ての赤方偏移にわたって積分したブランク・フィールドの平均値の10倍以上であり、平均的なフィールド体積密度の1000倍以上である。これらの銀河の速度分散(約410 km s−1)と、極めて大きなガス密度と星形成密度は、この系が銀河団のコアに相当し、宇宙がわずか14億歳であったときに形成がすでに進行していたことを示唆している。高赤方偏移に位置する他の既知の原始銀河団との比較から、SPT2349-56が現在の宇宙で最も質量の大きな構造の1つを構築している可能性が示された。

