Letter
生物工学:微生物による化学物質産生のための、改変した細胞代謝の光遺伝学的調節
Nature 555, 7698 doi: 10.1038/nature26141
改変した代謝経路を最適化するためには、代謝酵素の発現のレベルやタイミングを注意深く制御する必要がある。光の照射や遮断は複雑な培地交換なしに即座に行うことができるため、光遺伝学的ツールは、そのような正確な制御を行う上で理想的である。今回我々は、改変した出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)において、光制御による転写を用いて、有用な産物の生合成を増強できることを示す。我々は新しい光遺伝学的回路を導入し、細胞を光誘導性の増殖段階から暗誘導性の産生段階に移行させることで、光のみでの発酵の制御に成功した。その上、改変した経路の光遺伝学的制御により、周期的な光パルスを用いて、発酵の産生段階で酵素発現を調整して収量を増加させるという、バイオリアクター操作の新しい様式が可能になった。これらの進展させた技術を用いて、ミトコンドリアのイソブタノール経路を制御し、グルコースから微好気的に、最大8.49 ± 0.31 g l−1のイソブタノールと2.38 ± 0.06 g l−1の2-メチル-1-ブタノールを産生した。これらの結果から、有用な産物を産生するための代謝の改変に光遺伝学を利用する説得力のある例が示された。

