Letter

心臓学:心細動中の電気機械的な渦糸

Nature 555, 7698 doi: 10.1038/nature26001

渦状に回転する波[スクロール波(scroll wave)]の自己組織化動態は、多くの興奮性の化学的システムや生物学的システムで、複雑な時空間的パターンの形成の基盤となっている。心臓では、三次元のスクロール波と関連する糸状の位相特異点が、致命的な心臓不整脈を生み出す中心であると考えられている。心臓での電気機械的な乱流の発現、維持、制御の根底にあるこの機構は、本質的に三次元的な現象である。しかし、心臓組織内のスクロール波の三次元的な時空間的動態を可視化することは、これまで不可能だった。本研究では、高分解能の四次元超音波によるストレインイメージングを用いることで、三次元的な機械的スクロール波と糸状位相特異点が、収縮する心臓壁内の深部で観察できることを示す。我々は、心細動中に、機械的位相特異点と電気的位相特異点が同時に存在することを見いだした。我々は、心臓の膜電位、細胞内カルシウム濃度、機械的収縮を同時に計測することで、電気的および機械的な位相特異点の動態を調べた。その結果、心細動は、機械的位相特異点の三次元的な時空間的動態を用いることで特徴付けられ、これらの特異点は細動収縮する心室壁内で生じることが分かった。電気的および機械的な位相特異点には複雑な相互作用が見られ、我々は軌跡、トポロジカルな電荷、存在期間の観点から、それらの動態を特徴付けした。今回の知見が、非侵襲性の画像化診断や治療応用に新しい考え方をもたらすことを我々は期待する。

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