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物性物理学:強磁性カゴメ金属中の質量を持つディラックフェルミオン
Nature 555, 7698 doi: 10.1038/nature25987
カゴメ格子は、頂点を共有する三角形からなる二次元ネットワークで、エキゾチックな量子磁性状態を有することが知られている。理論研究からは、カゴメ格子は、トポロジカル絶縁相やチャーン絶縁相につながる可能性があるディラック電子状態も有すると予測されているが、そうした状態はこれまで実験的には観測されていない。今回我々は、強磁性秩序の存在下で質量を持つバルクディラックフェルミオンを坦持するように設計されたd電子カゴメ金属Fe3 Sn2について調べた。その結果、室温以上の温度で持続する、温度に依存しない固有な異常ホール伝導度が観測された。これは、時間反転対称性を破るカゴメ面の電子バンドから生じる著しいベリー曲率を示唆している。角度分解光電子分光法では、フェルミ準位近傍に質量ギャップが30 meVの一対の準二次元ディラックコーンが観測され、これはベリー曲率誘起ホール伝導度を生成する質量を持つディラックフェルミオンに相当する。我々は、この振る舞いが、強磁性状態の二層カゴメ格子の根底にある、対称性と原子のスピン–軌道結合の結果であることを示す。本研究によって、強磁性カゴメ金属の証拠と、相関電子系の創発的トポロジカル電子特性の例が得られた。今回の結果から、最近発見されたカゴメ格子反強磁性体のエキゾチックな電子挙動に関する知見が得られ、分数トポロジカル量子状態の格子モデルを実現できる可能性がある。

