Letter
天文学:暗黒物質を持たない銀河
Nature 555, 7698 doi: 10.1038/nature25767
冷たい暗黒物質のパラダイムに関連した銀河探査の研究からは、暗黒物質ハローの質量と全恒星質量が、質量とともに滑らかに変動する関数を通して結び付いていることが示されている。これらの平均比率Mhalo/Mstarsは、恒星質量が銀河系(太陽質量の約5 × 1010倍)程度の銀河で約30という最小値になり、これより質量が大きい方へ向かっても小さい方へ向かっても増大する。この関係性のばらつきはよく分かっておらず、大質量銀河では2倍未満だが、矮銀河でははるかに大きいと一般に考えられている。本論文では、質量が太陽の2 × 108倍の超淡銀河(ultra-diffuse galaxy)NGC1052–DF2内の10個の明るい球状星団状の天体の動径速度について報告する。その速度分散は90%の信頼水準で10.5 km s−1未満であると推測され、このことから7.6キロパーセクの半径内での全質量が太陽質量の3.4 × 108倍と決定された。これは、Mhalo/Mstars比率が1のオーダーであり(0でも矛盾はない)、予測の400分の1未満であることを意味する。NGC1052–DF2は、銀河のスケールでは暗黒物質とバリオン物質が必ずしも結び付いているとは限らないことを立証している。

