Letter

量子物理学:シリコン中のプログラム可能な2キュービット量子プロセッサー

Nature 555, 7698 doi: 10.1038/nature25766

個々の量子ビット(キュービット)に対して、フォールトトレラントなしきい値を超える測定や、忠実度の制御が可能になった今、関心は、物理的な量子ビットの数をフォールトトレラント量子計算に必要な数まで増やすという困難な課題へと移りつつある。このような背景の下、量子ドットに基づくスピンキュービットは、全電気的動作や工業プラットフォームで高密度集積化できることから、他のタイプのキュービットと比較してかなりの利点があると見込まれている。これまで、さまざまな量子ドットを用いたキュービットの代表例では、初期化、読み出し、単一及び2キュービットゲートが実証されている。しかし、他のタイプのキュービットを用いた量子コンピューターの小規模実証で見られるように、これらの要素を組み合わせると、キュービットのクロストーク、量子状態の漏出、較正、制御ハードウエアに関連した難題が生じる。今回我々は、注意深く設計した制御手法によってこうした難題を克服し、シリコンデバイスにおいて、プログラム可能な2キュービット量子プロセッサーを実証した。この量子プロセッサーは、量子アルゴリズムが古典的なアルゴリズムに勝る標準的な例である、Deutsch–JoszaアルゴリズムとGrover探索アルゴリズムを実行できる。我々は、ベル状態の量子状態トモグラフィーを用いて今回のプロセッサーにおけるエンタングルメントを評価し、85~89%の状態忠実度と73~82%のコンカレンスの値を得た。今回の結果は、量子ドットに閉じ込められたスピンを用いた大規模量子コンピューターの実現への道を開くものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度