免疫学:コウジカビ属真菌に対する免疫には、受容体であるC型レクチンによるDHN-メラニンの認識が必要である
Nature 555, 7696 doi: 10.1038/nature25974
感染に対する抵抗性は、微生物の侵入を認識して防御免疫応答を誘発する、パターン認識受容体の能力に強く依存している。このような受容体ファミリーの1つがC型レクチンで、抗真菌免疫の中心となって働く。これらの受容体は、真菌細胞壁の保存された糖を認識すると、重要なエフェクター機構を活性化する。しかし、真菌には、糖の他にも免疫学的に活性なリガンドがいくつか報告されており、その中にメラニンも含まれるが、その認識機構はこれまで明らかになっていなかった。今回我々は、C型レクチン受容体の1つ、メラニン感知C型レクチン受容体(MelLec)を同定した。この受容体は、1,8-ジヒドロキシナフタレン(DHN)-メラニンのナフタレンジオール部分の認識を介して、抗真菌免疫において重要な役割を果たしている。MelLecは、コウジカビ属真菌であるAspergillus fumigatusをはじめ、DHN-メラニンを作る真菌の分生子のメラニンを認識する。MelLecはマウスのCD31+内皮細胞で広く発現しており、さらに、上皮細胞接着分子を同時に発現していて肺と肝臓でしか検出されない、一部のCD31+細胞でも発現が見られる。マウスモデルでは、MelLecはA. fumigatusの播種性感染に対する防御に必要だった。ヒトでは、MelLecは骨髄系細胞にも発現しており、我々は、この受容体の一塩基多型の1つが骨髄の炎症応答に負の影響を及ぼし、幹細胞移植のレシピエントの播種性のコウジカビ属真菌感染に対する感受性を著しく増加させることを明らかにした。このようにMelLecは、真菌に共通して見られる免疫学的に活性な成分を認識し、マウスでもヒトでも真菌に対する防御免疫に重要な役割を果たしている。

