Letter
生態学:熱帯林のリン制限は、高木種で広く見られるが群落レベルでは見られない
Nature 555, 7696 doi: 10.1038/nature25789
熱帯林ではリンの利用可能性が一次生産力を制限すると広く考えられているが、このパラダイムは裏付けが曖昧である。生物地球化学の理論では、リン制限は古くて強い風化を受けた土壌に広く認められると予測されているのに対し、実験的な操作では、種の豊富な低地熱帯林においてリンの添加に対する一貫した応答は検知されていない。今回我々は、パナマで、自然に存在するリンの利用可能性の急勾配に沿って541の熱帯高木種の成長を定量化することにより、リン制限は個々の種レベルで広く存在し、2 ppmという土壌の交換性リン酸の閾値未満では著しく強まることを明らかにする。しかし、このように広く見られる種特異的なリン制限は、群落規模の応答にはつながらない。その理由は、リンの利用可能性が極端に低くても、不毛な土壌で急速に成長する種が複数あるためである。これらの結果は、多様な植物群落における栄養素制限についての我々の理解の見直しを迫るものであり、環境変化に対する熱帯林の応答を予測しようとする際に、重要な意味を持つだろう。

