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神経生理学:酸感受性イオンチャネルのゲート開閉機構

Nature 555, 7696 doi: 10.1038/nature25782

酸感受性イオンチャネル(ASIC)は、上皮ナトリウムチャンネル/デジェネリン(ENaC/DEG)スーパーファミリーに属し、プロトンによってゲートが開閉するナトリウム選択性の三量体チャネルで、脊椎動物の中枢神経系および末梢神経系で広く発現している。ASICのゲート開閉は、ミリ秒の時間スケールで起こり、開閉機構には3つのコンホメーション状態、すなわち高pHでの静止状態、低pHでの開口状態と低pHでの脱感作状態が関わっている。ASIC1aについて現在得られているX線構造では、開口および脱感作状態のコンホメーションは記述されているが、高pHでの静止状態の構造とチャネルの活性化および脱感作の詳細な機構はまだ分かっていない。今回我々は、ニワトリ(Gallus gallus)のホモ三量体ASIC1aについて、X線結晶学の方法と単粒子解析クライオ(極低温)電子顕微鏡法で決定された高pHでの静止状態の構造を報告し、ASICでのプロトンに依存するゲート開閉の包括的分子機構を示す。静止状態では、親指に似た形のthumbドメインの位置が三回対称分子軸からさらに離れていて、そのため開口状態や脱感作状態に比べると「酸ポケット」が広がっている。従って、活性化にはthumbドメインが酸ポケット側へと「閉じること」、手のひらに対応するpalmドメイン下部の拡大、およびチャネルのゲートの絞りに似た形での開口が関わっている。さらに我々は、palmドメインの上部と下部を仕切っているβ11–β12リンカーが分子「クラッチ」として働いて、簡単な再配置によって迅速な脱感作が可能となる仕組みを明らかにした。

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