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ナノスケール材料:固体スピンセンサーを用いる高分解能磁気共鳴分光法

Nature 555, 7696 doi: 10.1038/nature25781

固体電子スピンからなる量子系は、特に微小な試料からの核磁気共鳴(NMR)信号の高感度検出器となる可能性がある。例えば、ダイヤモンド中の窒素–空孔中心を用いてナノメートルスケールの試料からのNMR信号が記録されており、その感度は1個のタンパク質が作る磁場を検出するのに十分なものであった。しかし、窒素–空孔中心を用いた分子のNMRについて報告された中で最も高いスペクトル分解能は、約100 Hzである。この分解能では、化学、構造生物学、材料研究にNMRを適用する際に不可欠なスカラーカップリング(10 Hz未満の分解能が必要)や小さなケミカルシフト(核ラーモア周波数の約1 ppmの分解能が必要)など、分子構造を識別する重要なスペクトル的特徴を分解するのに不十分である。従来の誘導検出型NMRは、必要な高いスペクトル分解能を実現できるが、感度が低いためにミリメートルスケールの試料が必要なことが多く、ピコリットル体積の化学分析や光NMR相関顕微鏡法などの微小試料を用いる応用が阻まれている。今回我々は、窒素–空孔中心のアンサンブルからなる固体スピンセンサー(磁力計)とナローバンド同期読み出しプロトコルを組み合わせて、約1 HzのNMRスペクトル分解能を得る測定手法を実証する。我々は、この手法を用いて、約10ピコリットルというマイクロメートルスケールの体積の試料においてNMRスカラーカップリングを観測した。さらに我々は、窒素–空孔中心のアンサンブルを用いて、NMRを熱分極核スピンに適用し、小分子由来のケミカルシフトスペクトルを分解した。今回の手法によって、単一細胞スケールの分析NMR分光法が実現可能になる。

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