Letter

物性物理学:トポロジカルに保護されたコーナー状態を持つ量子化されたマイクロ波四重極絶縁体

Nature 555, 7696 doi: 10.1038/nature25777

結晶中の電気分極に関する理論によって、電子基底状態に関係するベリー位相(幾何学的位相)の観点から絶縁体の双極子モーメントが定まる。この概念は、結晶中の双極子モーメントの計算方法に関する長年の謎を解決するだけでなく、量子異常ホール絶縁体や量子スピンホール絶縁体などの絶縁体や超伝導体におけるトポロジカルバンド構造や、量子化された断熱ポンピング過程も説明する。最近の理論的研究では、ベリー位相の枠組みが拡張されて、より高次の電気多重極モーメントも説明されており、これまで観測されたことのない高次トポロジカル位相の存在が明らかになっている。今回我々は、予測されたこの種の物質の1つ、すなわち量子化された四重極トポロジカル絶縁体を、再構成可能なギガヘルツ周波数マイクロ波回路を用いて作製することにより実験的に実証する。我々は、分光測定を用いて、またバルクトポロジーに起因するコーナー状態を特定することによって、非自明なトポロジカル位相を確認した。さらに我々は、こうしたコーナー状態が、バルクのトポロジーによって保護されており、表面アーチファクトに起因するものではないという重要な予測を、結晶格子のエッジをトポロジカル領域から自明な領域へと変形させることによって検証した。今回の結果は、高次トポロジカル絶縁体の特徴である、無秩序や変形に対するロバストネスの独特な形態を示す決定的証拠を与えるものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度