Letter
進化学:全球の標高多様性と鳥類の多様化
Nature 555, 7695 doi: 10.1038/nature25794
山岳地帯に見られる並外れて高い生物多様性は、現在、急激な環境変化によって脅威にさらされている。しかし、数十年にもわたる取り組みにもかかわらず、利用可能なデータや解析ツールが限られているために、標高に伴う生物多様性の勾配とそれらの進化的起源についてのロバストかつ真に全球的な特徴解析は行われていない。そのため、山地群集の形成および維持に関わる過程についての全般的な理解が妨げられてきた。今回我々は、鳥類の種の豊富さが中標高域で最大になるという世界規模で見られる傾向は、広範囲に分布する種によるものであり、空間内における均等な種表現を確実にして進化的解釈を容易にするような副次抽出法を使うと、この傾向が消滅することを示す。むしろ、分布域のサイズで補正すると、種の豊富さは標高の増加に伴って直線的に低下した。全ての山岳地域において、高い標高域ほど種の豊富さが失われるのは多様化の速度の高さで特徴付けられることが分かった。これは、最近の多様化速度の低下が、生物相の多様性低下の主な原因であるとする見方を否定するものである。全ての標高において、過去の気温変化の速度が高かった山地群集でより急速な多様化が見られ、山岳地域での生物多様性の進化的動態の駆動における気候変動の重要性が明らかになった。山岳地域のさまざまな地形的特性および気候的特性が、現在観測されている種の豊富さの著しい勾配を決定付ける上で極めて重要な役割を果たしてきた一方で、今回の結果は、現在進行中の、そしてごく最近起こったものであることの多い多様化の過程が、高い標高域に見られる独特で高度に適応した生物多様性の維持において担っている役割を浮き彫りにしている。

