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幹細胞:SMAD2/3のインタラクトームから明らかになった、多能性におけるTGFβのm6A mRNAメチル化の制御
Nature 555, 7695 doi: 10.1038/nature25784
TGFβ経路は、胚発生や器官恒常性、組織の修復、疾患に必須の役割を担っている。これらの多様な作用は細胞内エフェクターであるSMAD2とSMAD3(SMAD2/3)により仲介され、SMAD2/3のカノニカルな機能は、転写調節因子と相互作用して標的遺伝子の活性を制御することである。従って、特定の細胞タイプでSMAD2/3と相互作用する因子を完全に明らかにできれば、細胞生物学のさまざまな分野で幅広く役立つだろう。今回我々は、ヒト多能性幹細胞におけるSMAD2/3のインタラクトームについて報告する。この解析で、SMAD2/3が転写での役割以外にも複数の分子過程に関わっていることが分かった。特に、RNAのアデノシンをN6-メチルアデノシン(m6A)に変換する反応を仲介するMETTL3–METTL14–WTAP複合体との機能的相互作用が明らかになった。SMAD2/3は、細胞の初期運命の決定に関わる一部の転写産物に対するm6Aメチルトランスフェラーゼ複合体の結合を促進した。この機構が、多能性因子遺伝子NANOGなどの、SMAD2/3の特異的な標的遺伝子の転写産物を不安定化させ、これらの標的遺伝子が分化に応じて急激に発現抑制される下地を作ることで、適切な時期に多能性を終了できる。まとめると、今回の知見から、細胞外シグナル伝達がエピトランスクリプトームの調節を介して速やかな細胞応答を誘導できる機構が明らかになった。TGFβシグナル伝達のこのような側面は、他の多くの細胞タイプや、がんなどの疾患にも、幅広く重要な意味を持つ可能性がある。

